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文部省のターラム・ドルマ・チャングラ大臣が 東京大学のセミナーで講演

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2024年7月8日

聴衆に語りかけるターラム・ドルマ・チャングラ大臣

東京:中央チベット政権(CTA)文部省のターラム・ドルマ・チャングラ大臣が、7月7日(日)東京大学駒場キャンパスで、「中国の植民地的寄宿制学校:占領下におかれた民族のアイデンティティを抹殺する邪悪な計画」と題するセミナーに出席し、講演を行った。このセミナーは、在日チベット・ウイグル・香港 民族代表会議の後援を得て、チベットハウス・ジャパンとセーブ・チベット・ネットワークの共催によって行われた。

セーブ・チベット・ネットワーク代表の牧野聖修氏は、来賓、パネリスト、学生、並びに関係者を歓迎し、このセミナーの重要性と、中国がどのようにして少数民族のアイデンティティ、言語、宗教文化を破壊しているかについて簡潔に説明した。牧野氏は、東南アジア諸国とその周辺における中国共産党(CCP)の覇権主義的敵対行動に関連するすべての問題を解決するためには、中国に変化を起こさねばならず、そのためには世界が変わる必要があると述べた。そして、植民地的寄宿制学校によって、占領地域の国民的アイデンティティを一掃しようとするCCPの政策の恐ろしさについて語った。

日本チベット国会議員連盟を代表する石井苗子(みつこ)参議院議員は、チベットおよび他の被占領地域の国民の大義を支持することを表明し、日本の国会議員は少数民族の子どもたちを彼ら自身の言語と文化から分断しようとする中国の政策を阻止するために活動してゆくと述べた。

ターラム・ドルマ・チャングラ文部大臣は、パネリストと聴衆に挨拶し、中国が1950年にチベットを占領して以来、どのようにしてチベット人のアイデンティティ、言語、宗教文化を破壊しようとしてきたかについて語り、その試みは今も続いていると述べた。大臣は中国の占領地域にある植民地的寄宿制学校に抗議するため、団結することを呼びかけ、「私たちは力を合わせて立ち上がり、中国政府がこのような寄宿制学校を閉鎖し、その破壊的かつ危険な政策を直ちに中止するよう求める必要があります。私たちは中国が国際的な義務を遵守し、南モンゴル人とウイグル人を含むすべての人々の権利を尊重するよう求める必要があります。私たちは人権団体、このような植民地的寄宿制学校の歴史を持つ先住民コミュニティ、国会議員、子どもの権利専門家、議会グループや団体、メディアとソーシャルネットワークから賛同者を集めなくてはなりません。そして中国政府によって閉鎖された学校と大学を再開するために、事実究明のための調査団の派遣、嘆願書の提出、ロビー活動等を推進しなくてはなりません」と語った。

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士は、チベットの中国国営植民地的寄宿制学校の実態と、それが幼い子どもたちに及ぼす影響について簡潔に語った。アリヤ博士は、植民地的寄宿制学校に関するTBSで放送された映像を上映し、寄宿制学校の子どもたちの悲惨な体験についての証言を伝えた。

南モンゴルクリルタイのオルホノド・ダイチン氏と日本ウイグル協会のレテプ・アフメット氏は、中国がそれぞれの国に寄宿制学校を設立し、子どもたちに強制的に共産主義思想を教えこみ、現地の伝統的な教育と価値観から分断していることについて講演と発表を行った。

チベットの平和と正義を支持する日本の僧侶と尼僧の団体「ス-パーサンガ」の小林秀英師と難民支援NGO「ドリーム・フォ-・チルドレン」代表の亀田浩史氏は、植民地的寄宿制学校についての知識と認識を聴衆に伝え、中国の植民地的寄宿制学校を深刻な問題として捉えるよう求めた。

牧野聖修氏がセミナーの締めくくりとして提議した決議案は、パネリストの全会一致で承認された。この決議はチベット、ウイグル、南モンゴルの代表が、それぞれ国会議員支援団体に働きかけ、このセミナーについて知ってもらうとともに、少数民族のアイデンティティを破壊するこの凶悪な政策を中止するよう中国に要請してもらうという内容である。

東京大学の阿古智子教授が閉会の挨拶を行い、討論と知識を共有することの大切さについて言及し、このセミナーは植民地的寄宿制学校の基本的な性質を多くの人々に分かってもらう絶好の機会となったであろうと語った。

セミナー会場は日本人のみならず、中国、モンゴル、台湾、香港からの多くの参加者でにぎわい、この問題について熱心な討論が行われた。T.D.チャングラ大臣は、パネリストや聴衆と交流し、名刺交換を行い、植民地的寄宿制学校の問題への支援と関心に感謝を伝えた。セーブ・チベット・ネットワークの北澤杏里氏がセミナーの司会を務めた。

中国国営の植民地的寄宿制学校に関するチベット・アクション・インスティテュートの報告書の日本語版がパネリストと聴衆に配布された。

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所による報告

聴衆に語りかける石井苗子議員
開会の挨拶を述べる牧野聖修氏
小林秀英師による講演
日本ウイグル協会のレテプ・アフメット氏
南モンゴルクリルタイのオルホノド・ダイチン氏
ダライ・ラマ法王日本・東アジア代表部事務所代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士
東京大学の阿古智子教授
来賓とパネリストの集合写真

 

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                                       (翻訳:麻雪)