2024年8月30日
ソウル：ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士は昨日、ソウルでのチベット人擁護活動の日程と、韓国の寺院、チベット仏教センターへの訪問を無事に終え、10日間の韓国訪問を終了した。
韓国を拠点とする人権、自由、民主主義団体、とりわけ「自由アジア連帯」と「コリア・グローブ」は、8月19日から25日までの1週間、ソウルで、講演、セミナー、討論会などのフリー・アジア関連のイベントを開催した。アリヤ代表、中国、ウイグル、満州、南モンゴルの代表がイベントに参加し、自由、正義、民主主義の闘いにおけるチベットの経験を分かち合った。
8月19日、代表団はソウル大学のトゥルースフォーラム（キリスト教の青年団体。2017年にソウル大学で創立された。）に招かれ、同大学で開催された「中国の未来に関する国際会議」で講演を行った。翌日には、韓国の国会議事堂の会議場で開かれた「草原の道、自由経済圏、北東アジアの民族政策」と題するセミナーに参加し、ファン・ギョアン（黄教安）元首相が基調講演を行った後、主要シンクタンクのメンバーや元駐日韓国大使らがスピーチを行った。韓国の知識人や少数民族の代表は、中国共産党が、アジアと世界の平和と安定にとっていかに大きな脅威となっているかについて語った。また、中国と少数民族のメンバーは、中国共産党政権の抑圧的、攻撃的、同化を促進させる政策について述べた。
間島（カントウ/Kando）研究救援センターは代表団に、中国がいかに歴史を歪曲して、朝鮮半島北部の領有権の主張を正当化しているかについて話した。代表団は、韓国の国務会議が主催した「北東アジアの国際秩序と韓国の役割」に関する会合で講演し、また、ソ・チョンホ議員とヤン・ムンソク議員に個別に面会し、それぞれの地域における中国の残虐行為について説明した。
アリヤ代表は、韓国の国会議事堂、ソウル大学、その他のフォーラムや会合で、チベット問題について講演し、唐の時代から元、明、清の時代までのチベットの歴史的地位について説明。中国のチベットに対する主張がいかに的外れで意図的な歴史歪曲であるかを述べた。また、チベットの現状について伝え、中国がチベットの子供たちを植民地的寄宿制学校で強制的に教え込むことで、チベット人のアイデンティティを排除しようとしていることを語った。そして、最近米国で制定された「チベット・中国紛争解決促進法」の重要性と、チベットは古代から中国の一部であったという中国の主張をこの法律がいかに否定しているかについて話し、“中国・チベット紛争の解決”に終止符を打つために、韓国でも同様の政策を確立するよう韓国国民と政府からの支援を要請した。
アリヤ代表は、ファン・ギョアン（黄教安）元首相と2人の国会議員にも個別に面会し、「チベット・中国紛争解決促進法」の韓国語訳を伝え、このような法案を国会に提出することへの支援を要請した。
主催者は記者会見とメディア関係者との交流を企画し、主催者と代表団はイベントの目的を確認し、中国と世界中で拡大する、中国の弾圧と侵略について説明した。
その後、アリヤ代表は在韓チベット人コミュニティのゲシェ・サンポ師を伴い、韓国仏教の仏・法・僧を代表するトンドサ（通度寺）、ヘインサ（海印寺）、ソングァンサ（松広寺）などの韓国寺院を訪問した。また、キョンサンナムト（慶尚南道）のチベット博物館を主催する（デウォンサ）大元寺を訪問した。アリヤ代表はこれらの寺院の住職とスタッフに敬意を表し、韓国のチベット僧とチベットへの支援に感謝するとともに、中国共産党による宗教弾圧の強化とダライ・ラマ法王の転生者選びへの干渉を非難するための支援を要請した。アリヤ代表はジュント・メウル・ガンウォルサ寺を訪問し、ヌン・ヘン師に敬意を表し、チベット人コミュニティに対する行政の支援に感謝した。
ソングァンサ（松広寺）の博物館で、アリヤ博士は寺の許可を得て、13世紀にチベットのドロゴン・チョーギャル・パグパがモンゴルの武将たちに、元朝の支配下にあった朝鮮人に親切で公正であるよう忠告した勅令と伝えられている古文書について学んだ。朝鮮人はモンゴルの弾圧から解放されるためにチベットの高僧に干渉を求めたと言われている。
アリヤ代表は、ソウルのチベット仏教センター・シェドルプリン、ウルサン（蔚山）とキメ（金海）市のチベット仏教ティーチングセンターを訪問し、チベットのゲシェや僧侶たちにチベット問題や最近の状況について報告した。
-ダライ・ラマ法王日本代表部事務所による報告
（翻訳：稲田かおり）