(2012年11月14日 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所)
十一月五日に横浜で行われた記者会見において、一人の記者から「尖閣諸島問題についてどうお考えになりますか?」という質問がありました。ダライ・ラマ法王は、「現代の世界情勢下では、中国は日本を必要とし、日本も中国を必要としています。西洋社会は東洋社会を必要とし、東洋社会も西洋社会を必要としています。それが今日の現実です。そこで、政治的指導者たちには、問題を解決するためにホリスティック(全体的)なものの考え方をすることが求められています。ささいな意見の違いから友好関係を壊すようなことは、狭い視野に立った考え方でしかありません。もっと広い視野からものごとを考える必要があるのです」とお答えになりました。
さらに、十一月十二日の沖縄での記者会見においても同じ質問が出ました。ここで、ダライ・ラマ法王は次のようにお答えになっています。
「これは非常にデリケートな政治的問題であり、横浜の記者会見でも同じ質問が出ましたが、私はこの小さな島がどこにあるのかも知りませんし、その名前さえ知りません。それにもかかわらず、中国政府は、『ダライ・ラマは“尖閣諸島”という日本名を使い、“釣魚島”という中国名を使わなかった。ダライ・ラマは日本に肩入れしている』と私を批判しています。中国は日本が必要であり、日本も中国を必要としています。それが現実であり、この点をきちんと認識するべきだと思います。」
このように、“尖閣諸島”という日本名を使ったのは質問者の側であり、ダライ・ラマ法王のご発言にある通り、ダライ・ラマ法王はこの島の名前すらご存知ではありませんでした。ですからこの中国政府側メディアの報道は、中国が民衆を扇動するための捏造であるとしか言いようがありません。この点を、皆様に明確にご理解いただきたいと思います。
2012年11月14日
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所