2024 年 7 月 11 日
東京：中央チベット政権（CTA）文部省のターラム・ドルマ・チャングラ大臣は、千葉県にある二つの大学を訪問し、学生と教職員にチベットの教育制度全般と、今日のチベットにおけるSEEラーニング（社会的・情動的・倫理的知性の学び）（注1）の現状について講演した。
注１：米エモリー大学とダライ・ラマ法王との20年以上の共同研究により生まれた、幼児から高校3年生までのための学校教育プログラム
麗澤大学の廣池幹堂（ひろいけもとたか）理事長と教職員は、ターラム・ドルマ・チャングラ大臣、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士、同事務局長のタシ・ヤンゾム氏を大学に迎えた。大臣はカタと呼ばれるチベットの白いスカーフを贈呈し、学生たちに講演する機会を与えてくれた理事長と大学に感謝の意を表した。
午後、大臣は、千葉工業大学（CIT）を訪問し、瀬戸熊修（せとくまおさむ）理事長をはじめ、理事、教職員らは大臣一行を理事長室で出迎えた。大臣はカタを贈呈し、チベット人学生の教育への貴重で継続的な支援に対して理事長と大学に感謝の意を表した。
両大学で行われた2回の講演で、大臣はチベットの教育制度について、特にSEEラーニングの概念と発展について講演し、両大学の学生と教員にその重要性について理解できるようわかりやすく説明した。講演のなかで大臣は、「教育の目的と到達点は古代から現代まで変化しています。ダライ・ラマ法王14世は、すべての感性のある生き物が平和と調和の中で暮らせるように、慈悲・寛容・優しさなどといった人間的価値観を育む教育を拡大すべきだと信じて疑いません。優れた現代教育と伝統教育を提供し、その上に人間的価値観を注ぎ込み、我々の豊かな文化・伝統・言語・宗教・遺産を保存することが、1959年の中国によるチベット侵攻でインドへの亡命を求めた直後からの法王の展望でした。」と述べた。
また、大臣は、世俗倫理（注2）とSEEラーニングについて、次のように述べた。「世俗倫理と SEE ラーニングはいずれも、自己、他者、すべての感性のある生き物の幸福のために 3H (頭・心・手) を教育することを目的としています。異なる情報源からのインフォーメーションによると、どこでこのような教育が実施されても生徒の行動に大きな変化が見られることが明らかになっています。」
注２；宗教的あるいは超自然的（霊的な）倫理観との区別のために用いられる用語であり、論理・共感・理性・道徳的直観などの人間の能力のみに基づいた倫理観
教員と学生は、SEEラーニングに関する大臣の話を非常に高く評価し、それについてもっと学びたいという意欲を示した。学生たちは、SEEラーニングが大人たちの社会でどのように実施されるか、またSEEラーニングにおける愛国心の役割について質問をした。大臣は、エモリー大学が発行したSEEラーニングに関する資料や中央チベット政権（CTA）の教育政策を各大学と共有した。
麗澤大学の堀内教授は、チベットの教育制度とSEEラーニングの目的に関する大臣の素晴らしいプレゼンテーションに感謝の意を表した。教授は、廣池千九郎博士の提唱したモラロジー（注３）と SEE ラーニングの類似点についても言及した。
注３；モラロジー（moralogy）は、「道徳」を表すモラル（moral）と「学」を表すロジー（logy）からなる学術名で、「道徳科学」を意味する。法学博士・故廣池千九郎博士によって提唱された。
廣池幹堂氏と瀬戸熊修氏の両理事長は、SEE ラーニングのコンセプトを賞賛し、一切の生きとし生けるものにとって、より良い世界を構築し創造しようとするダライ・ラマ法王の努力を大いに評価した。また、暴力と憎しみのない思いやりのある世界を築こうとするダライ・ラマ法王と中央チベット政権への支援を約束した。
大臣と会合したチベット人の学生たちは、継続的な教育と計画について最新情報を話した。会談のなかで、大臣はチベットの主張の重要性を強調し、結束の固いチベット人コミュニティの発展に貢献するための知識を獲得できるよう学業に専念するよう激励した。
-ダライ・ラマ法王日本代表部事務所からの報告-
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（翻訳：samsara）